改訂新版 世界大百科事典 「カワミドリ」の意味・わかりやすい解説
カワミドリ
Agastache rugosa(Fisch.et Mey.)O.Kuntze
山の草地に生える高さ1mほどのシソ科の多年草。全草にハッカに似た独特の香りがある。茎は四角形,上部で分枝し,葉の裏と共に粉白色の微細な毛がある。葉は対生し,1~4cmの葉柄があり,葉身は広卵形で長さ5~10cm,先がとがり,縁には鋸歯があり,基部は円形または心形となる。夏から秋のころ茎の上部の枝先に円柱形の花序を作って,密に紅紫色または青紫色の花をつける。花穂は長さ5~15cm,幅約2cmくらいで円柱状となる。萼は筒状で長さ5~6mm。花冠は筒状で長さ約1cm,先は4裂して下側の裂片が最も大きい。おしべは4本,花柱と共にまっすぐ花の外につき出している。分果は三稜形で上部に短毛がある。この属は東アジアと北アメリカに数種が分布する。葉を干したものを排草香(はいそうこう)といい,漢方では煎じて風邪や頭痛薬に用いる。
執筆者:村田 源
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報