かんこ船(読み)かんこぶね

精選版 日本国語大辞典 「かんこ船」の意味・読み・例文・類語

かんこ‐ぶね【かんこ船】

〘名〙 船底の平らな箱造り構造小船の俗称。北陸山陰四国九州西海岸に分布し、磯物採りやイカ釣りに用いられたが、今日でもワカメ採集などの小船に使われている。また、本船に搭載する箱造り伝馬のことをもいう。かんこ。〔和漢船用集(1766)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「かんこ船」の意味・わかりやすい解説

かんこ船 (かんこぶね)

北陸・山陰海岸に多い小型漁船瀬戸内や九州の北西部にも少しは見られた。多くは矧(はぎ)板の5枚仕立てで,長さ7~8m,肩幅1.2m程度。手漕ぎで,帆はもたない。〈かんこ〉の語義は明らかでない。西日本の太平洋岸には漁船の〈いけま〉の部分を〈かんこ〉といっているところがあり,また三陸海岸には,小型の刳(くり)船を〈かっこ船〉といっていた例もある。
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