日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンブリア山脈」の意味・わかりやすい解説
カンブリア山脈
かんぶりあさんみゃく
Cambrian Mountains
イギリス、ウェールズ中央部を南北に連なる山脈。おもに古生代カンブリア紀、オルドビス紀の岩石からなる氷食を受けた峰々が連なる。平均高度は700~800メートルで、スノードン山(1085メートル)、アラン・マウドウィー山(905メートル)などが突出している。この山脈は下部古生代研究の発祥地で、山脈名は古生代最下部の紀(カンブリア紀)の名称となっている。イギリス本土内では年降水量も多く、氷食谷にたたえられる湖沼水は発電に利用され、リバプール、バーミンガムなどの工業地帯の有力な水資源供給地となっている。また石炭、鉄などの豊富な鉱物資源は、19世紀の工業発展を助長した。
[小池一之]