日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンムリアマツバメ」の意味・わかりやすい解説
カンムリアマツバメ
かんむりあまつばめ / 冠雨燕
crested swift
鳥綱アマツバメ目カンムリアマツバメ科に属する鳥の総称。この科Hemiprocnidaeは1属4種を含む。全長16~33センチメートル。一見アマツバメに似ているが、額に小さな冠羽がある。インドからニューギニア島およびソロモン諸島まで分布する。カンムリアマツバメは、アマツバメ類ほど飛翔(ひしょう)生活のために特殊化していない。開けた森林に留鳥としてすみ、しばしば木に止まって休息したり、飛んでくる獲物を待ち受ける。食物は空中の小昆虫やクモ類で、飛びながら、あるいは待ち場から飛び出して捕食する。巣は直径約3センチメートル、卵がちょうど1個入るだけの小さな椀(わん)形で、樹皮の破片や羽毛を唾液(だえき)でこね合わせたものを材料としてつくり、木の横枝に張り付けてある。産卵、育雛(いくすう)は雌雄交代であたる。
[森岡弘之]