知恵蔵 「ガラケー男子」の解説
ガラケー男子
ガラケーは、「ガラパゴス携帯」の略。日本の携帯電話は、海外とは異なる通信方式を採用したため、インターネット接続や電子マネー、カメラ機能やワンセグ(地上デジタル放送視聴)機能など、国内でしか使えない独自の多機能・高機能化が進んだ。ガラケーは、高度な機能を備えながらも海外市場から取り残された日本の携帯電話を、そこに住む生物が独自の進化をとげた南太平洋の孤島ガラパゴス諸島にたとえて揶揄(やゆ)した表現である。
パソコンのような使い方ができるスマホが急速に普及している一方で、ガラケー利用者も依然多い。パソコンやタブレット端末と併用し、メールや通話機能の使いやすさやバッテリーの持ち時間の長さといったガラケーの特徴を好んで、あえてガラケーを選択する人もいる。スマホの普及に従って両者の違いが明確に利用者に理解されるようになり、「ガラケーは流行遅れ」といったイメージもなくなってきたことで、ガラケー利用者が見直されている面もあるようだ。
ガラケー男子はもてるかどうかといったことがしばしばインターネット上で話題になるが、それもこうしたイメージの変化の表れだろう。
(原田英美 ライター / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報