キヌタ骨(読み)きぬたこつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キヌタ骨」の意味・わかりやすい解説

キヌタ骨
きぬたこつ

中耳(鼓室)の中にある3個の耳小骨一つ。ほかの2個の小骨アブミ骨ツチ骨)の中間に存在する小骨で、形が鉄床(かなとこ)に似ているのでこの名称がある。ラテン語の学名incusは鉄床の意である。三つの耳小骨は相互に微細な関節をつくって連結し、鼓膜前庭窓との間を連絡している。キヌタ骨は2本の根をもつ臼歯(きゅうし)の形に例えられることもある。鼓膜に達した音波は、これらの耳小骨を通して内耳聴覚器に伝えられる。

[嶋井和世]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キヌタ骨」の意味・わかりやすい解説

キヌタ骨
キヌタこつ
anvil, incus

砧骨哺乳類のみにある中耳内の小骨で,鼓室内にある3つの耳小骨の一つ。ツチ骨とアブミ骨の中間にあり,鼓膜の振動を内耳に伝える働きをする。

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