改訂新版 世界大百科事典 「キリスト教民主社会同盟」の意味・わかりやすい解説
キリスト教民主・社会同盟 (キリストきょうみんしゅしゃかいどうめい)
Christlich Demokratische Union(CDU)Christlich-Soziale Union(CSU)
ドイツの保守政党。CDUは戦後1945年6月以降,4国占領下ドイツ各地で結成され,戦前の中央党(カトリック系)と異なり,その影響を受けながらも新旧両宗派を統合する新党の性格を強めた。47年になって,冷戦が激化するに及んで,東・西ドイツ地区のCDUは別々の道を歩む。バイエルン州だけはCSUが結成され,今日にいたっているが,旧西ドイツのCDU/CSUは姉妹政党Schwesterparteienとして連合関係にある。CDU/CSUは49年の第1回総選挙以来,72年の例外を除き,常に第一党として,西ドイツ政界に大きな影響を及ぼした。50年代を通じ,さらに60年代の初めまで,CDU/CSUを指導したのは首相兼CDU党首のアデナウアーであり,この時代に西ドイツの西欧統合,再軍備,NATO並びにEEC(後にEC,EU)加盟が実現する。69年,社会民主党・自由民主党の連立によって,初めて野に下ったCDU/CSUは,82年10月,コールHelmut Kohl(1930- )(CDU党首)政権の成立によって,再び与党となった。戦前のバイエルン国民党の影響を受け,さまざまな保守の潮流を統合したCSUは,党首シュトラウスFranz Josef Strauss(1915-88)(1961年から。88年からはワイゲルTheodor Waigel)のもとで,バイエルン州に確固たる地位を築き,70年以降絶対多数を堅持している。70年代の半ばから,保守中道を志向するCDUと保守右派の性格を強調するCSUの間に緊張が高まるが,連邦議会における共同議員団構成は維持されている。70年代を通じて大衆政党になった。1990年のドイツ統一によって,旧東ドイツ地域のCDUが合流し,党員数は拡大した。統一直後の党員数はCDU,CSU合わせて97万人である。
執筆者:仲井 斌
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報