改訂新版 世界大百科事典 「キンゴジカ」の意味・わかりやすい解説
キンゴジカ
teaplant
sida hemp
Sida rhombifolia L.
全世界の熱帯域に広く分布し,路傍の荒地に多い木本的なアオイ科の雑草。高さは1m足らずで,全体に星状毛がある。葉は互生,狭卵形からひし形状卵形や披針形で長さ2~5cm。花は葉腋(ようえき)から出た単一あるいは群がった花梗につき,黄色で直径約1.5cm。花弁は5枚で杯状に配列,底部に赤色の斑紋がある。全世界の熱帯から亜熱帯に広く分布し,日本では九州南部以南に生育する。葉を英名のように茶の代用とすることがある。ホソバキンゴジカS.acuta Burm.f.も熱帯に広範に分布し,葉はより狭葉である。アオイ科植物に一般的に見られるように靱皮繊維が発達し,ジュートと同様な絹に似た良質繊維が採取され,インドなどでは栽培される。植物体は粘液質に富み,民間薬として熱帯各地で利用される。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報