日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギマール」の意味・わかりやすい解説
ギマール
ぎまーる
Hector Guimard
(1867―1942)
フランスのアール・ヌーボーを代表する建築家。リヨンに生まれる。装飾美術学校およびエコール・デ・ボザールに学ぶ。1880年代後半から設計活動を始め、ビオレ・ル・デュックの影響の顕著なパリの聖心学院(1895)で頭角を現す。95年、イギリス、ベルギーを旅し、とくにオルタの仕事に衝撃を受けてパリに帰り、カステル・ベランジェ(1899)の設計ではっきりとアール・ヌーボーの意匠へ踏み切った。パリ地下鉄駅舎群(1900)、アンベール・ド・ロマン音楽堂(1901)などで鉄骨造の有機的で独創的な建築空間を創造。ほかに住宅建築に優れた作品が多い。1938年アメリカへ渡り、ニューヨークで没した。
[長谷川堯]