クモマナズナ(読み)くもまなずな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クモマナズナ」の意味・わかりやすい解説

クモマナズナ
くもまなずな / 雲間薺
[学] Draba sakuraii Makino var. nipponica (Makino) Takeda
Draba nipponica Makino

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の多年草。茎は叢生(そうせい)し高さ5~15センチメートル。根際の葉は倒披針(とうひしん)形で先は鈍く、両面に星状毛があり、縁(へり)に鋭い鋸歯(きょし)がある。茎葉は披針形で鋸歯が2、3ある。花期は6、7月、花弁白色で先端はへこむ。果実は広線形でややねじれ、果柄は無毛である。本州中部の高山岩場に生える。トガクシナズナD. Sakuraii Makino var. Sakuraiiはこれより毛が多く、果柄にも毛があり、中部地方北部の山地に生える。

[小林純子 2020年11月13日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のクモマナズナの言及

【イヌナズナ】より

… イヌナズナ属Drabaはアフリカ南部を除く全世界に分布し,300種近い種類がある。特に北半球の高山や亜寒帯には各地に多くの固有種を産し,日本の高山植物として知られているものには,クモマナズナ,トガクシナズナ,ヤツガタケナズナ,シロウマナズナ,ナンブイヌナズナ,エゾイヌナズナなどがある。小型の草本植物で,小さな花をむらがりつけるので,ロックガーデンなどで観賞用に栽培される種がある。…

※「クモマナズナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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