真空中を単独で運動する粒子が従う相対論的波動方程式。相対性理論によれば,自由粒子のエネルギー E,運動量 p,静止質量 m の間には普遍的な関係式 E2-p2c2=m2c4が成り立つ(c は光速度)。量子力学の一般的処方に従って E と p を演算子で置き換えると,この関係から次のクライン=ゴルドン方程式が得られる。ψは自由粒子の波動関数または場の演算子であり,また ℏ=h/2π はプランク定数である。スピン 0の場は(アイソスピンなどの自由度を別にすれば)1成分で,この方程式を満たす。スピンが 0でない場のψは多成分で,基本的にはもっと複雑な方程式に従うが,それを変形してψはこのクライン=ゴルドン方程式を満たす必要のあることが示される(→ディラック方程式)。