クラカトア火山(読み)クラカトアかざん(その他表記)Krakatoa volcano

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラカトア火山」の意味・わかりやすい解説

クラカトア火山
クラカトアかざん
Krakatoa volcano

別称クラカタウ Krakatau火山ジャワスマトラとの間,スンダ海峡にある火山。海中噴出した複式火山で,カルデラと中央火口丘群から成る。初めは高度約 2000mの円錐形の成層火山をなしていたが,中央部が陥没してカルデラを生じ,その縁が3つの島として残された。その後,中央火口丘群が生じて1つの島をつくった。 1680年以降約 200年間は活動が休止していたが,1883~84年に大爆発を起し多量の軽石火山灰が放出され,新しい陥没カルデラが生じた。これによって中央火口丘の大部分は失われ,深さ 279mに達する陥没地形が生じ,残った島には厚さ 100mに及ぶ軽石や火山灰が堆積した。特に 83年8月 26~28日の爆発では噴煙の高さが 70~80kmにも達し,微細な火山灰が風に流されて地球を約 12日間で1周し,世界の気象に大きな影響を及ぼしたといわれ,爆発音はオーストラリアでも聞えたという。津波による死者は約3万 6000人。このような噴火型式をクラカトア式噴火と呼び,このようなタイプのカルデラをクラカトア型カルデラという。 1927年には再び海底噴火が始り,火山灰や岩滓の噴出が繰返されて砕屑丘が成長し,62年には 142mの高度に達している。

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