改訂新版 世界大百科事典 「クロイドン」の意味・わかりやすい解説
クロイドン
Croydon
イギリス,イングランド南東部,大ロンドン都市圏南部にある区。人口32万3000(1993)。地名は古英語で〈野生サフランの咲く谷〉を意味する。もとサリー州に属する独立都市であったが,1965年に近隣町村を含めたクロイドン区として大ロンドンに編入された。ロンドン盆地南部の丘陵地帯に位置し,ロンドン郊外の住宅地域をなすが,機械,電子などの工業もみられる。ウィリアム1世がクロイドン荘園をカンタベリー大司教に寄進して以後,1758年に至るまで大司教の居館が置かれた。1883年に自治都市となり,1915年のクロイドン空港開設に伴ってイギリスの空の玄関となったが,ヒースロー空港の開港により,59年に閉鎖された。
執筆者:長谷川 孝治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報