井内(読み)いない

日本歴史地名大系 「井内」の解説

井内
いない

[現在地名]石巻市井内

まき山北麓のたつくちから山裾沿いに西進し、八幡はちまん山の麓から直角右折真野まの水門近くまで北進する集落。水門の南西約七〇メートルの地点から二またに分れる真野川の一流沿いに西進、北上川河畔に達する集落。前者はみなと村のうち井内、後者は大瓜おうり村のうち井内とよばれた。地名の由来はつまびらかでなく、悪い川をさすアイヌ語ウエン・ナイがインナイ―イナイと転訛し、井内の文字があてられたとする説がある(稲井町史)。寛永八年(一六三一)の伊達政宗領知黒印状(伊達家文書)によれば、「小鹿之郡湊之内いない滝之口磯田ニ而、永荒田八町分」を鈴木三平に「五年かうや」の条件で下渡している。

井内山の地層北上山地の中生代三畳紀層中・下部の稲井層群に属し、全体として砂岩粘板岩からなり、二サイクルの堆積輪廻相を示す。平磯層(粗粒層)・大沢層(細粒層)の二層が下位、風越層(粗粒層)・伊里前層(細粒層)が上位のサイクルとなっており、アンモナイトや二枚貝などの化石を出土する(宮城県の地質案内)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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