グラム染色法(読み)ぐらむせんしょくほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラム染色法」の意味・わかりやすい解説

グラム染色法
ぐらむせんしょくほう

1884年にオランダグラムC. Gramによって完成された染色法。当初は組織内の細菌を染め分ける方法とされたが、その後、全細菌を2群に分類できる点から、分類学上重要な染色法となっている。この染色法の操作は次のようになる。

(1)細菌を熱固定したあと、アルカリ性にしたトリフェニルメタン系色素(クリスタル紫など)で染色。

(2)ヨウ素液などの弱酸性媒染剤で処理。

(3)中性脱色剤エタノール)などで脱色

 この3段階を経て、脱色される菌、つまり最初の色素を失う菌をグラム陰性菌とよび、脱色されない菌、つまり最初の色素で染まる菌をグラム陽性菌という。なお、菌が染色されない場合には、明瞭(めいりょう)に観察できないため、サフラニン液などの別の色素を使って対比染色をする。

[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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