グルベルグ(読み)ぐるべるぐ

改訂新版 世界大百科事典 「グルベルグ」の意味・わかりやすい解説

グルベルグ
Cato Maximillian Guldberg
生没年:1836-1902

ノルウェーの数学者,化学者。グルベルグ=ボーゲの法則とも呼ばれる〈質量作用の法則〉の発見者の一人。クリスチャニア(現,オスロ)に生まれ,クリスチャニア大学で数学と自然科学を学んだ。卒業後,軍の学校の教師を務めたが,このころ義弟であるP.ボーゲ協同化学親和力に関する研究を始めた。この研究が後に〈質量作用の法則〉の発見として結実する。1869年クリスチャニア大学の応用数学教授となる。2人の研究は1864年と67年に発表されたが,77年にF.W.オストワルトがこの法則を採用して初めて2人の業績が認められた。2人の研究は新しい実験事実を加えて79年に再発表された。このほかに,分子運動論に基づく状態方程式の研究や,解離反応の熱力学的研究などが知られている。
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百科事典マイペディア 「グルベルグ」の意味・わかりやすい解説

グルベルグ

ノルウェーの数学者,物理化学者。クリスチャニア(現オスロ)の生れ。1869年クリスティアニア大学応用数学教授。1864年義兄のボーゲとともに化学親和力に関する研究を行い,反応速度について質量作用の法則を発見。分子論および化学平衡についての熱力学的研究は,ファント・ホフの希薄溶液理論の先駆

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グルベルグ」の意味・わかりやすい解説

グルベルグ
ぐるべるぐ

グルベル

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世界大百科事典(旧版)内のグルベルグの言及

【化学】より

…ウィルヘルミLudwig Ferdinand Wilhelmy(1812‐64)は,ショ糖の転化速度を数式に表現して化学反応速度の定量的扱いに成功した。1862年,ノルウェーのC.M.グルベルグとP.ボーゲは,化学平衡の位置は各成分の濃度比で決まるという〈質量作用の法則〉を述べた。ギブズやグルベルグとボーゲの研究は当時の学問の中心であるヨーロッパから離れたところでなされたため,すぐには影響を与えることはできなかったが,やがてF.W.オストワルトによってギブズの研究が紹介された。…

【化学反応】より

…引き続きフランスのP.E.M.ベルトロは,酢酸とエチルアルコールとのエステル化反応で,エステルの生成速度が反応物質の量に比例すること,エステル化反応の逆反応である酢酸エチルの加水分解によってもエステル化の場合と同じ平衡点が実現することを見いだした。1864年,ノルウェーのC.M.グルベルグとP.ボーゲは,式(1)の平衡において,平衡点は水に可溶な反応物質(K2CO3,K2SO4)の量でほぼ決まってしまうことを見いだし,平衡状態を決定するのは質量以外に容積であるという考えに到達した。他の条件が等しければ反応の駆動力は反応物の活性質量の積に比例し,化学平衡の状態は正方向の反応と逆方向の反応の駆動力が等しいときに出現すると考えた。…

※「グルベルグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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