日本大百科全書(ニッポニカ) 「グロンキ」の意味・わかりやすい解説
グロンキ
ぐろんき
Giovanni Gronchi
(1887―1978)
イタリアの政治家。中学教師を振り出しに、人民党の代議士(1919~1926)、カトリック系のキリスト教労働連盟議長などを歴任。1922年の第一次ムッソリーニ内閣に商工次官として入閣したが、翌年辞任。アベンティーノ反対派連合に拠(よ)って反ファシズム活動を行ったために議席を奪われ、政界から実業界に転じた。ファシズム崩壊期に政界に復帰し、デ・ガスペリとともに国民解放委員会においてキリスト教民主党を代表した。以後、商工相(1944~1946)、下院議長(1948~1955)、共和国第2代大統領(1955~1962)を歴任。グロンキはキリスト教民主党内でシェルバやデ・ガスペリの中道路線に反対し、勤労者の生活改善の必要を力説する潮流を代表した。これは外交政策においても、東西の冷戦を排して共存を求める政策に表れた。この意味で大統領の任期中の数々の外国訪問は大きく評価された。1960年ネオファシズムに好意的なタンブローニを支持したため左翼の支持を失い、任期終了後は再選されず終身上院議員になった。
[重岡保郎]