大学事典 「グーイ法案」の解説
グーイ法案[伊]
グーイほうあん
1962年から68年まで5期にわたってイタリアの公教育大臣を務めたグーイ,L.(Luigi Gui, L.,1914-2010)は,ジェンティーレ改革が方向付けた義務教育年限8年の延長化の厳格適用などをおこなうとともに,大学に関しては通常の4年制課程に加えて,社会的要請に応じた2年間の短期学位(イタリア)課程とラウレア(学位)取得後の2年課程による3段階学位制度,学科(dipartimento)の創設,教授のフルタイム勤務などの改革を提言した。この改革案には,一方で社会的な要請に合致した大学への改革やその自治の拡大など革新的な方向と,他方で教授の勤務評定など国家統制的な方向とが共存していた。結果的に廃案となったものの,その後の大学改革に影響を与え,その内容の一部は1960年代に実現することとなった。
著者: 児玉善仁
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報