ケチュア族(読み)ケチュアぞく(英語表記)Quechua

翻訳|Quechua

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケチュア族」の意味・わかりやすい解説

ケチュア族
ケチュアぞく
Quechua

ペルーを中心とする中央アンデス地帯の主として高地に住む先住民。 14世紀にアンデス地帯はインカ帝国によって支配されたが,帝国の公用語がケチュア語であり,中心であったアンデス高地一帯では統一的ケチュア文化が形成された。スペイン人によるインカ帝国征服,植民地支配,大農園アシエンダへの編入などの過程を経て,今日のケチュア族の大半は,土地を失い賃金労働者,小作人などの下層農民となっている。彼らは孤立して住み,親族だけで村をつくることが多く,部外者に対しては警戒心が強い。農業は労働力を交換し合って行い,多種穀物は市場で交換し,また作物と手工芸品を換金する。村の首長は長老たちによって選ばれる。宗教はカトリックと伝統的宗教が混交しており,呪術が重要な役割を果す。

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