ゲルドロード(読み)げるどろーど(英語表記)Michel de Ghelderode

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲルドロード」の意味・わかりやすい解説

ゲルドロード
Ghelderode, Michel de

[生]1898.4.3. イクセル
[没]1962.4.1. ブリュッセル
ベルギー劇作家,小説家。おもにフランス語で創作。彼の劇は善と悪,神と悪魔の闘争を中心にして展開され,荒々しい激しさと中世的神秘性とを兼ねそなえ,粗野ともみえる陽気な喜劇性の裏に人間存在の本質的悲劇性を浮彫りにしてみせる。演劇源泉にさかのぼりながら近代的手法も用い,現代演劇の発展に貢献。『クリストファー・コロンブス』 Christophe Colomb (1927) ,『エスキュリアル』 Escurial (1928) ,『地獄の年代記』 Fastes d'enfer (1929) ,『赤い魔術』 Magie rouge (1934) ,『おーい,大将!』 Hop Signor! (1935) など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲルドロード」の意味・わかりやすい解説

ゲルドロード
げるどろーど
Michel de Ghelderode
(1898―1962)

ベルギーの劇作家。病弱であった少年時代から故郷フランドル地方に残る民話やスペイン的文化に親しみ、やがてメーテルリンククロムランクの影響を受け、1930年まではフラマン民衆劇場の座付作者として、以後は書斎人として、死の影のただよう幻想的で残酷な三十数編の戯曲を書いた。まずフランスで、ついで50年代からは国際的名声を得る。代表作に『エスキュリアル』(1927、1948初演)、『地獄の狂宴』(1929、1949初演)、『ジャイール姫』(1934)などがある。

[安堂信也]

『渡辺守章訳「エスキュリアル」、安堂信也訳「地獄の狂宴」(『今日のフランス演劇 第1巻』所収・1966・白水社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ぐんまちゃん

群馬県のマスコットキャラクター。人間だと7歳ぐらいのポニーとの設定。1994年の第3回全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック群馬大会)で「ゆうまちゃん」として誕生。2008年にぐんまちゃんに改名...

ぐんまちゃんの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android