コイ族(読み)コイぞく(英語表記)Khoi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コイ族」の意味・わかりやすい解説

コイ族
コイぞく
Khoi

自称コイコイン Khoikhoin。かつてはホッテントット Hottentotの蔑称で呼ばれ,南西アフリカに広く居住し,牛の遊牧を中心として移動生活を営んだ,コイサン語族系の一民族。形質的には,低身長,黄褐色の肌,皺がちの皮膚,毬状毛,引延ばされた小陰唇,脂臀などサン族共通の特徴をもち,言語・社会・文化的にも近く,コイサンと総称される。コイ族はナマ支族,コラナ支族などに分れ,総人口は3万以上と推定されるが,20世紀初頭以降固有の言語と文化は急速に衰退南アフリカ共和国では,白人入植者との混血がかなり進んでいる。現在では混合農業を取入れているが,多くは居住地外へ賃労働に出る。伝統的な拡大家族制度が残存する一方,それらを統合する父系親族集団は解体している。呪術信仰なども部分的に残存するが,キリスト教の影響が著しい。 (→コイサン語系諸族 )

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