コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

脂臀 しでんsteatopygia

翻訳|steatopygia

3件 の用語解説(脂臀の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

脂臀
しでん
steatopygia

主として南西アフリカに居住するコイ族,サン族などの成人女性にみられる,異常に多量の貯蔵脂肪をもつ臀部をいう。普通,臀部には貯蔵脂肪が蓄積されるが極度に発達した場合には,背中に負った子供を脂臀の上に立たせることができるというほど著しく突出する。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

しでん【脂臀 steatopygia】

アフリカ南西部に住む原住民コイサン(コイ・コインとサン)の成人女性では,皮下に多量の脂肪が蓄積するために,臀部(しりの部分)がいちじるしくふくらみ,後方に突き出るという特異な体型が見られる。この身体的特徴を,人類学で脂臀と呼ぶ。ヨーロッパ旧石器時代後期遺跡で発見され,〈ビーナス〉と呼ばれている岩石製ないし象牙製の女性像(彫像)が,豊満なからだつきを示し,脂臀の状態をあらわしていることで有名である(ウィレンドルフのビーナスなど)が,このほうは人種的特徴というよりも,豊穣を祈るといった宗教的願望の表現ではないかと言われている。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

脂臀
しでん
steatopygia

内部に多量の脂肪組織が蓄積したため、後方に著しく突出した臀(しり)をいう。脂臀は、アフリカ南部のカラハリ砂漠を中心とする地方に居住するコイサン人の成人女性に顕著にみられることで有名であり、一つの人種的特徴とみなされている。アンダマン諸島に住むオンゲの女性にもみられる。脂肪組織中には繊維が発達しているので、臀全体は垂れ下がらないでいる。脂肪が発達した場合、背中に負った子を臀の上に立たすことができるという。脂肪が1か所に固まって多量貯蔵されることは、ラクダの瘤(こぶ)と同様、乾燥暑熱の荒蕪(こうぶ)地における適応形態の一つと解釈できる。なお、ユーラシア各地から出土する後期旧石器時代の女人像(ビーナスと称される)は大きな臀部をもつようかたどられているため、19世紀末に発見された当時は、脂臀をもつ人類と関連づけて考えられたが、女人像は、豊穣(ほうじょう)を願うといった願望の表現とみなされるようになり、脂臀をもつ人間がユーラシアにいたという考えは今日では否定されている。[香原志勢]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の脂臀の言及

【しり(尻∥臀)】より

…しかし骨盤の骨格そのものに大きな性差のあることも,女性の臀部が大きく見える大きな理由である。コイ・コインの女性では臀部の脂肪沈着がとくに著しく,これを〈脂臀〉または〈脂肪じりsteatopygy〉という。皮下脂肪のすぐ下に大きな大臀筋がある。…

※「脂臀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

百条委員会

地方自治体が議決により設置する特別委員会の一つ。名称は「地方自治法第100条」に基づく。百条委員会は、地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求、拒否した者には罰則が科...

続きを読む

コトバンク for iPhone