コチロサウルス(その他表記)cotylosaur

改訂新版 世界大百科事典 「コチロサウルス」の意味・わかりやすい解説

コチロサウルス
cotylosaur

杯竜目Cotylosauriaに属する爬虫類の総称。原始爬虫類で,古生代後期から中生代前期にかけて生存した。両生類セイモウリアもこれに入ると考える人もいる。頭骨は全般に高くなり,だんだんと扁平さがなくなってくる。頭蓋両眼より後の部分に側頭窓と呼ぶ穴が開いていないので,カメ目などとともに無弓亜綱Anapsidaに含まれる。頭頂骨の後方の骨が退化し,耳裂溝は消失し,後頭顆が1個となる。口蓋の翼状骨が発達し,歯が生ずる。側椎心が脊椎骨の主体となり,仙椎は2個以上。上鎖骨は退化または消失する。肋骨は部分により形が分化する。四肢の骨は迷歯類に比べると細くなり,手根部と足根部の中心となる骨は2個である。アメリカ,テキサス州の二畳紀下部の地層から産出したディアデクテスは植物を常食とし,両生類的特徴をもった最も原始的なものである。プロコロホン類は小型のトカゲのような爬虫類であったが,南アフリカソ連の三畳紀後期に出現したパレイアサウルス類は大型でがんじょうな動物で,当時最大級のものである。一方,カプトリヌス形類は肉食性爬虫類で,石炭紀から二畳紀に出現した。爬虫類の系統杯竜類に由来するという考えがほぼ定説であり,この目の一群が原始的爬虫類として注目される理由である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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