改訂新版 世界大百科事典 「セイモウリア」の意味・わかりやすい解説
セイモウリア
Seymouria baylorensis
アメリカのテキサス州シーモアSeymourの町の北部に発達する二畳系下部の地層から発見された両生類と爬虫類の中間型動物。名前は発見地に由来する。全長60cm,頭は比較的大きく,首は短い。胴は太く,がんじょうな四肢があり陸上生活に適応できた。頭骨は迷歯類と同じ骨組みで,耳裂溝が大きく開き,後頭顆は1個で炭竜目のものに近い。椎骨は側椎心が発達し,間椎心は小さく,神経弓は両側へ広がっている。肩帯の間鎖骨の中央に長い幹状部がある。仙椎は2個。上腕骨に内上顆孔があり,指骨式は2-3-4-5-3(4)である。これらの頭部以外の骨格は原始爬虫類の特徴にみられるもので,両生類と爬虫類の結合環にくるものと考えられている。ロシアのウラル地方からも出ている。
執筆者:長谷川 善和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報