コミュニケーション的合理性(読み)コミュニケーションてきごうりせい(英語表記)kommunikative Rationalität

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

コミュニケーション的合理性
コミュニケーションてきごうりせい
kommunikative Rationalität

人と人の関係を規定する相互主観的モデルの合理性をさす。人と物の関係に規定された道具的理性ともいうべき目的合理性に対する。目的と手段連関に基づく成果志向的な前者の合理性と異なり,コミュニケーション的合理性は規範と価値の強制なき合意を志向する。 J.ハーバーマス啓蒙の提起した市民的公共性の理念をこの合理性のなかに認め,自己中心的な行為の実効性を重視するシステムの社会認識から,対話による行為規範確立を目指す生活世界の合理化へと視点を移行させた。その意味で彼の試みは批判理論に規範的な基礎づけをもたらしたといえる。

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