出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…M.ホルクハイマー,T.W.アドルノ,W.ベンヤミン,H.マルクーゼ,のちに袂(たもと)を分かったE.フロム,ノイマンFranz Leopold Neumann(1900‐54)たちと,戦後再建された同研究所から輩出したJ.ハーバーマス,シュミットAlfred Schmidt(1931‐ )らの若い世代が含まれる。彼らはいわゆる〈西欧的マルクス主義〉の影響の下に,正統派の教条主義に反対しつつ,批判的左翼の立場に立って,マルクスをS.フロイトやアメリカ社会学等と結合させ,現代の経験に即した独自の〈批判理論〉を展開した。彼らはユダヤ系左翼のゆえをもってナチス時代にはアメリカに亡命を余儀なくされたが,その間,機関誌《社会研究》によって理論的抵抗を続け,共同研究《権威と家族》(1936)をはじめ,ホルクハイマー,アドルノの共著《啓蒙の弁証法》(1947),ノイマンの《ビヒモス》(1942),マルクーゼの《理性と革命》(1941),フロムの《自由からの逃走》(1941)等,戦後に有名となった多くの業績を発表している。…
…〈西欧的マルクス主義〉の動機を受け継ぐ〈批判的理論〉の定礎づけに努めるとともに,学際的な共同研究《権威と家族》(1936),《偏見の研究シリーズ》(1950)を主宰。アドルノとの共著《啓蒙の弁証法》(1947)のほか,《批判理論Kritische Theorie》2巻(1968),《道具的理性批判》(1967)などがある。【徳永 恂】。…
※「批判理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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