日本大百科全書(ニッポニカ) 「コミュニティ放送」の意味・わかりやすい解説
コミュニティ放送
こみゅにてぃほうそう
80メガヘルツ前後で出力が20ワットまでの小さいローカルFM放送局。従来の県単位など広い地域を対象としたラジオでは扱えなかった市町村単位の限られた身近な地域のコミュニティの話題を取り上げ、自主番組が主体で地域の活性化に役だてようとするもの。免許制で、一般のFM放送局と同様に電波法と放送法の適用を受ける。電波法の適用外の微弱な電波を用いたいわゆるミニFM放送局(免許不要)とは別のものである。1992年(平成4)に1地域1局の制限のもと制度化されたが、2年後の1994年5月には複数局の設置が認められ、翌1995年には従来の出力1ワットではカバーできる地域が狭すぎるとして、10ワットに引き上げられ数キロメートルから数十キロメートルをカバーするようになった。さらに1999年に最大出力が20ワットに引き上げられ、対象地域も拡大した。
1992年の開局第1号の北海道函館市の「FMいるか」以来、コミュニティ放送局は増え続け、2011年2月時点でエフエム豊橋(愛知県豊橋市)、エフエムむさしの(東京都武蔵野市)、ながのコミュニティ放送(長野市)、沖縄ラジオ(沖縄市)、さいき市民放送(大分県佐伯市)、まえばしCITYエフエム(前橋市)など全国に243局が開局されている。
[岩田倫典]