日本大百科全書(ニッポニカ) 「コムサット」の意味・わかりやすい解説
コムサット
こむさっと
COMSAT
アメリカの衛星通信サービス会社The Communications Satellite Corporationで、COMSATはその略称。1998年9月ロッキード・マーチンに吸収合併され、2007年にはイギリスの大手通信事業者であるBTグループに買収された。コムサットは1963年に設立され、通信衛星法に基づく国策会社INTELSAT(インテルサット、国際電気通信衛星機構)において、アメリカを代表して最大の出資者であるとともに、技術運用面で管理業務契約者としての責任をもっていた。インテルサット衛星と地球局によって、コムサットは、アメリカと世界の隅々までの通信サービスを行っていた。またコムサットは、INMARSAT(インマルサット、国際海事衛星機構)においてもアメリカを代表していた。しかし、インテルサット以外の通信衛星事業がおこり、一方、CATV、光通信海底ケーブルなどの普及により通信サービスの多様化が進み、業績が悪化したため、1998年にロッキード・マーチンに合併された。合併後はロッキード・マーチンの通信部門の子会社ロッキード・マーチン・グローバル・テレコミュニケーションに統合された。しかしその後、イギリスのBTグループに買収されている。
[平木 一]