コメ政策改革大綱(読み)こめせいさくかいかくたいこう(その他表記)Outline of the Reformed Rice Policy

知恵蔵 「コメ政策改革大綱」の解説

コメ政策改革大綱

2002年12月に決定されたコメ政策の基本方向で、「コメづくりの本来あるべき姿」として消費者と市場を重視する効率的な生産・流通と需給調整システムの実現が目標。需給調整については、07年度から、農業者・農業団体が国から提供される需給情報に基づいて、生産数量を自己責任で決定・配分する新システムに移行した。米価については米穀価格形成センターでの取引価格が目安となる。07年産米からは品目横断的経営安定対策が導入されたので、これに伴い04〜06年に実施された産地づくり対策、集荷円滑化対策、担い手経営安定対策及び稲作所得基盤確保対策の見直しが行われた。稲作に偏らない水田農業の構造改革を目標とする産地づくり対策では、地域の話し合いによる「地域水田農業ビジョン」の作成を条件に助成金を交付していたが、07年からは当面「新需給調整システム定着交付金」を助成することになったほか、非担い手農家に対しては担い手への農地集積を促進するために3年間の時限装置として米価下落の影響を和らげる「稲作構造改革推進交付金」制度が設けられた。集荷円滑対策は、過剰米を主食用と分けて出荷・保管し、国と生産者の拠出による過剰米対策基金から所要費用を短期融資する過剰米対策。コメ改革の農業支援の上乗せ策である担い手経営安定対策は品目横断的経営安定対策の収入変動緩和対策に移行し、また稲作所得基盤確保対策は非担い手農家に対する産地づくり対策のメニューとして収入変動の緩和策として利用できる。

(池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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