日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルデー」の意味・わかりやすい解説
コルデー
こるでー
Marie-Anne-Charlotte Corday d'Armont
(1768―1793)
フランスの女性で、革命時代の山岳派の指導者マラーの暗殺者。ロンスレーの農家に生まれる。劇作家コルネイユの姪(めい)の孫。経歴の詳細は不明。王党派だったとも、自由を情熱的に愛したともいわれるが、ジロンド派の没落に心から同情し、山岳派の独裁志向に憤激し、その元凶こそマラーだと信じ込んだ。1793年7月パリに出、地方の反革命派についての情報提供を理由にマラーに面会を求め、7月13日入浴中のマラーを短刀で刺殺。4日後、革命裁判所によって死刑の判決を受け、ギロチン上で刑死した。マリ・アントアネット、ロラン夫人と並んでフランス革命中の女性として名をとどめる。
[樋口謹一]