コンスタンス2世(読み)コンスタンスにせい(その他表記)Constans II Pogonatus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンスタンス2世」の意味・わかりやすい解説

コンスタンス2世
コンスタンスにせい
Constans II Pogonatus

[生]630.11.7. コンスタンチノープル
[没]668.9.15. シラクーザ
ビザンチン皇帝(在位 641~668)。641年,父コンスタンチヌス3世,叔父ヘラクレオナスとその母マルチナが短期間在位したのち,元老院により 11歳で皇帝に選出された。後年その美しい髯(ほおひげ)のため顎髯王(がくぜんおう)Pogonatusと呼ばれた。642~654年にイスラムの侵略によりアフリカ,小アジア(→アナトリア),キプロス,ロドス島などがビザンチン帝国から失われてゆき,659年に和平条約も締結されたが,東地中海での制海権は大きくゆらいだ。キリストの人性と神性に関する論争を調停するために,648年勅令チュポスを発布したが,教皇マルチヌス1世と対立,655年に教皇をクリミアケルソンに流刑にした。アテネ,ローマと旅行したあと,663年シチリア島シラクーザに仮宮を置き,イスラムの攻撃に対する基地とするため遷都を考えたが,侍従に浴室で暗殺された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android