ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルチヌス1世」の意味・わかりやすい解説
マルチヌス1世
マルチヌスいっせい
Martinus I
[没]655.9.16. クリミア,ケルソン
トディ出身の第74代教皇(在位 649~653)。聖人。649年7月,テオドルス1世(在位 642~649)のあとを継ぎ,西方教会と東方教会の関係を緊張させていたキリスト単意説論争のさなかに登位した。論争を終わらせるため 649年にラテラノ公会議を招集し,ビザンチン皇帝コンスタンス2世(在位 641~668)が発布した,キリストの意志についての討論を禁じた勅令チュポスと,キリスト単意説を糾弾した。コンスタンス2世の命令により,マルチヌス1世はコンスタンチノープルに連行されて公衆の面前で辱めを受け,655年5月,クリミアへ追放された。のちに殉教者(→殉教)として認められた。祝日は 4月13日。
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