ゴトウヅル（読み）ごとうづる

日本大百科全書(ニッポニカ)

ゴトウヅル
ごとうづる
[学] Hydrangea petiolaris Sieb. et Zucc.

ユキノシタ科（APG分類：アジサイ科）の落葉藤本(とうほん)（つる植物）。ツルアジサイまたはツルデマリともいう。山地に生え、枝のところどころから気根を出して樹幹や岩によじ登り、高さ15メートルにも達する。若枝は赤褐色。葉には長い柄があって対生し、葉身は卵円形で先はとがり、縁(へり)に鋭い鋸歯(きょし)がある。6～7月、枝の先に散房状集散花序をつくる。花序の周囲には3～4枚の萼片(がくへん)からなる白色の装飾花があり、中央に多数の小さな両性花がある。両性花の雄しべは15～20本、開出した2本の花柱があり、5枚の花弁は互いに合着して帽子状にとれる。樺太(からふと)（サハリン）から九州、朝鮮半島南部まで広く分布する。

［若林三千男　2021年3月22日］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内のゴトウヅルの言及

【アジサイ】より

…東北南部から近畿にかけて分布する。ツルアジサイ(ゴトウヅル)H.petiolaris Sieb.et Zucc.は落葉つる性木本植物で，欧米では壁面をおおう植物としてひじょうによく利用されている。
［栽培］
　これら日本産のアジサイ類のいずれの種類も耐寒性が強く，北海道から沖縄まで栽培できる。…

【イワガラミ】より

…属としては東アジアの固有属で3種がある。よく似たものにツルアジサイ(ゴトウヅル)があるが，これは別属のアジサイ属のもので，装飾花の萼片は5枚，花柱も2～3本に分かれている。【若林 三千男】。…

※「ゴトウヅル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」