サド侯爵夫人(読み)サドこうしゃくふじん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サド侯爵夫人」の意味・わかりやすい解説

サド侯爵夫人
サドこうしゃくふじん

三島由紀夫の戯曲。3幕。 1965年雑誌『文芸』に発表,同年劇団 NLTで初演。獄中のサドに貞淑を貫く夫人ルネと,その母で,娘に離婚を迫る虚飾に満ちたモントルイユ夫人との対立を主軸に,悪徳と美徳の化身であるサン・フォン伯爵夫人とシミアーヌ男爵夫人,ルネの妹アンヌら女性6人だけで展開するせりふ劇。舞台に一度も登場しないサドが,女たちの上に大きく影を落す。華麗なレトリックと論理的な対話の積重ねがゆるぎない劇的世界を構築しており,三島戯曲の代表作といえる。フランスでも翻訳上演された。

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