改訂新版 世界大百科事典 「サバ川」の意味・わかりやすい解説
サバ[川]
Sava
バルカン半島北西部を西から東に流れるドナウ川の支流。スロベニアのラドブリツァで,水源の2支流が一つになり,ユーゴスラビアのベオグラードでドナウ川と合流する。全長940km。ボスナ川,ドリナ川などの支流がある。この川に沿って,ザグレブ,ベオグラードなどの都市が建設されている。1929年に,ユーゴスラビア国王アレクサンダルが独裁を宣言し行政改革を施行した際,全土が国内を流れる川の名にちなんで,九つの州とベオグラード府に編成され,サバ州は最大の州であった。77年,サバ川に関する連邦法が制定された。この法律にはスロベニア,クロアチア,ボスニア・ヘルツェゴビナ,セルビアの各共和国が関与し,水力発電や水質改善や河川運航の問題などが規定されている。これらの問題は,20世紀の末までに解決されることになっている。
執筆者:柴 宜弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報