日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュブリャナ」の意味・わかりやすい解説
リュブリャナ
りゅぶりゃな
Ljubljana
スロベニア共和国の首都。ドイツ語名ライバッハLaibach、イタリア語名リビアナLybiana。人口26万4269(2002国勢調査速報値)。リュブリャニッツァ川が市中を流下する。そこに架かる三肢橋や、16世紀の大地震後、丘陵上に建てられた古城、詩聖プレーシェルン像に対面する聖告教会、ロッバ作の噴泉近くに立つ市庁舎、聖三位一体教会などバロック様式の建造物が古都をいろどっている。リュブリャナ大学(1919創立)、科学技術アカデミー、オペラ劇場、博物館、文化の大殿堂「ツァンカレウ・ドム」などが人目をひく。機械、電気・化学、薬品・食品などの諸工業が発展し、文字どおり政治、経済、文化の中心地である。スポーツ施設や遊歩道の美しいチボリ公園、郊外には国際空港もある。
[田村 律]
歴史
ローマ時代は駐屯地でエモナEmonaといわれ、アルプス、パンノニア平原、アドリア海を結ぶ中間点であった。5世紀に東ゴート人に破壊され、スラブ人によって再建された。スラブ語名リュブリャナ、12世紀にドイツ語名ライバッハが文献にみえる。1335年ハプスブルク家の支配下に入り、1849年ウィーンと鉄道で結ばれてから急速に発展、1918年セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国(後のユーゴスラビア王国)に編入された。以後、スロベニアが旧ユーゴスラビアを構成していた時代も、1991年に旧ユーゴスラビアからスロベニアが独立した後も、スロベニアの首都となっている。
[田村 律]