シアヌル酸(読み)シアヌルサン

化学辞典 第2版 「シアヌル酸」の解説

シアヌル酸
シアヌルサン
cyanuric acid

2,4,6-trihydroxy-1,3,5-triazine.C3H3N3O3(129.07).三臭化シアヌルC3N3Br3加水分解により生成する.二水和物C3H3N3O3・2H2Oは風解性の無色の柱状結晶.固体状態でも溶液中でもケト-エノール平衡状態にあり,通常,ケト形が優先的に存在する.100 ℃ で脱水して無水物となる.無水和物は融点360 ℃ 以上で分解してシアン酸HOCNを生成する.熱水,熱エタノール,ピリジン,濃塩酸硫酸に可溶,エーテル,アセトン,ベンゼンに難溶.シアン酸の発生源および選択的除草剤として用いられる.[CAS 108-80-5][別用語参照]三塩化シアヌルシアヌル酸トリメチル

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシアヌル酸の言及

【シアン酸】より

…化学式HOCN。シアヌル酸(尿素を加熱した際に縮合して生ずる)を二酸化炭素または窒素気流中でゆっくりと380~400℃に加熱し,発生する気体を急冷して得られる。シアン酸H-O-C≡Nとイソシアン酸H-N=C=Oの互変異性体があり,ともに雷酸H-O-N≡Cの異性体である。…

※「シアヌル酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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