大学事典 「シエナ大学」の解説
シエナ大学[イタリア]
シエナだいがく
トスカナ地方にある国立総合大学。1203年に特権を付与され,学生と教師が多く存在したとされ,1240年の文書に法学校の痕跡があるが,イタリアのほかの町の学校ほどの重要性を持たなかった。1246年に加えて,1321年に起こったボローニャの学生・教師の移住によって大きな重要性を獲得した。都市が一貫して学生獲得のための財政援助をおこなうとともに,普遍権力から設立認可を得ようとした。その結果,1357年に皇帝カール4世から大学の特権を獲得し,さらには1408年に教皇グレゴリウス12世からも特権を得た。1590年には学生たちが自らの中から学頭を選んで教会権力から解放されるように要求し,その権利を獲得した。フランス支配下の1808年に閉鎖された。イタリア統一後に再建され,1892年に公教育大臣マルティーニが弱小大学の廃止政策を採った際にもその対象となったが,市民の抵抗で存続を確保した。現在,アレッツォにも学科組織がある。2011年には15学科,正教授246人,准教授248人,研究員366人,2015/16年の登録学生数約1万5600人。
著者: 児玉善仁
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報