しおがま

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

しおがま
しおがま

宮城県塩竈(しおがま)市の名物菓子。白雪(はくせっこう)の一種で、シソの葉の粉末を散らした軟落雁(なんらくがん)。塩釜(しおがま)は「見渡せば霞(かすみ)のうちもかすみなり 煙たなびく塩釜の浦」とうたわれた古代陸奥(みちのく)の塩どころであった。伝承によれば、塩土老翁大神(しおつちのおじのおおかみ)がこの地で藻塩草(もしおぐさ)を焼いて塩を採取したが、そのとき米粉に塩を混ぜ、押し物をつくって糧食とする方法を里人に教えたという。その伝承を踏まえ、1769年(明和6)に越後屋(えちごや)喜三郎がしおがまをつくり、藩公伊達(だて)吉村に献上した。
 みじん粉に砂糖、少量の塩を混ぜ、海藻粉末を散らして水を少々加え、もみ混ぜてふるいにかけてから押し枠でおし固めたものだが、明治以降になって、御釜(おかま)神社(塩竈(しおがま)神社末社)別当を務める梅花堂の考案で、みじん粉に散らす海藻粉末(ホンダワラなど)がシソの葉粉末に変えられ、香りがいっそうよくなった。餡(あん)の入った「しおがままんじゅう」もある。しおがまの菓名は、御釜神社に祀(まつ)られる塩づくり用の古代の鉄釜や、精製塩の白いきらめき、古式製塩にちなむ藻塩草に想を得たところから、塩竈の地名がそのままつけられたもので、こうした例は少ない。名のとおりがよいので、島根名菓の「山川」など軟落雁を説明するのにも、しおがま風(ふう)ということがある。[沢 史生]

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