シドニー・オリンピック競技大会(読み)シドニー・オリンピックきょうぎたいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

シドニー・オリンピック競技大会
シドニー・オリンピックきょうぎたいかい

オーストラリアシドニーを開催都市として行なわれた第27回オリンピック競技大会。2000年9月15日から 10月1日まで開催され,199の国と地域から約 1万1000人が参加した。南半球で 2度目となる大会で,オーストラリア先住民アボリジニ移民白人との和解がテーマとなった。その象徴としてアボリジニの女子陸上競技選手,キャシー・フリーマンが聖火の最終点火者に選ばれた。フリーマンは陸上競技女子400mで金メダルを獲得した。また開会式では,南北朝鮮の選手団が統一旗を先頭に入場行進を行なった。紛争下の東ティモールからは数人の選手が国際連合傘下の「オリンピック個人参加選手団」として参加した。金メダル数はアメリカ合衆国が 36個,ロシアが 32個,中国が 28個を獲得しその躍進ぶりが目立った。オーストラリアは 16個の金メダルを獲得した。個人記録では,男子水泳でオーストラリアのイアン・ソープが金メダル 3個,オランダのピーター・ファン・デン・ホーヘンバントが 2種目を制した。女子陸上競技の短距離でアメリカのマリオン・ジョーンズが金メダル 3個,銀メダル 2個を獲得したが,後日ドーピングが発覚し失格となった。また,女子体操個人総合で優勝したルーマニアのアンドレア・ラドゥカンは,チームドクター処方の風邪薬に禁止薬物が入っていたため金メダル剥奪となった。日本の金メダルは,女子マラソンの高橋尚子,男子柔道100kg級の井上康生,81kg級の滝本誠,60kg級の野村忠宏,女子48kg級の田村亮子(→谷亮子)の計 5個だった。シンクロナイズドスイミング(→アーティスティックスイミング)では,チームとデュエットで銀メダルに輝いた。

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