シホウチク(その他表記)Tetragonocalamus quadrangularis (Fenzi) Nakai

改訂新版 世界大百科事典 「シホウチク」の意味・わかりやすい解説

シホウチク (四方竹)
Tetragonocalamus quadrangularis (Fenzi) Nakai

イネ科の中型のタケ類で,シカクダケ四角竹)ともいう。生えたてから稈(かん)が四角形で,節のまわりに短いとげがあり,珍しい。たけのこ晩秋に出て美味。大きいものは直径4cm,高さ7m。節ごとの枝の数は3~4本。葉は細長く先がとがり,群がり垂れている姿は優美で,観賞用とする。地方によってはイボタケ(疣竹)とよび,とげが盗難よけになるとして,前庭によく植えられる。稈は工芸品つくりに用いる。原産地は台湾や中国の四川省浙江省。日本では関東以西の暖地で栽植される。本種は,以前はカンチク属に分類されていたが,現在はシホウチク属とされている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シホウチク」の意味・わかりやすい解説

シホウチク
しほうちく / 四方竹
[学] Chimonobambusa quadrangularis (Franceschi) Makino
Tetragonocalamus quadrangularis (Fenzi) Nakai

イネ科(APG分類:イネ科)のタケ・ササ類。シカクダケ(四角竹)ともいう。稈(かん)は高さ5~7メートル、径3~4センチメートル、角(かど)の丸い四角形で中空、稈面に小さく鋭い刺(とげ)が散在してきわめてざらつく。節は著しく隆起し、稈の基部の地面に近い2、3節には気根が輪生し、それより上方、稈の中部以下では気根の発達が悪いいぼ状の突起となる。枝は1節から3~7本出る。葉は狭披針(きょうひしん)形で長さ14~20センチメートル、幅1.4~2センチメートル、薄くて柔らかく、先端が下垂。中国原産で、観賞用に栽培する。

[鈴木貞雄 2019年8月20日]


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世界大百科事典(旧版)内のシホウチクの言及

【弓道】より

…弓で矢を射る術の修練を通して心身の鍛錬を狙いとする,日本の伝統的弓射文化の総称。古くは弓術,射術,射芸などと呼ばれた。現代弓道では弓射の理法の修練による人間形成の道を基本理念とし,多くの人々に愛好されている。なお〈弓道〉という用語は江戸時代に一部使用されているが,日本の弓射文化の総称として定着したのは昭和初期に入ってからである。
[歴史]
 弓矢の発祥がいつごろであったか正確には不明であるが,一般には旧石器時代末期には存在していたといわれ,新石器時代には世界の諸文化の中に共通してみられる。…

※「シホウチク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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