シマサルスベリ(読み)しまさるすべり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シマサルスベリ」の意味・わかりやすい解説

シマサルスベリ
しまさるすべり / 縞猿滑
[学] Lagerstroemia subcostata Koehne

ミソハギ科(APG分類:ミソハギ科)の落葉高木。分枝が多く、枝は灰褐色で円く、若枝は4本の筋(すじ)があり、花序とともに開出した短い毛がある。葉は対生し、卵状楕円(だえん)形、表面は毛がなく、裏面の中央脈の腋(えき)には白色の開出毛がある。7~8月、枝先に円錐(えんすい)花序をなし、紫紅色を帯びた白色の小花を多数開く。蒴果(さくか)は楕円形、種子は上方に翼がある。屋久島(やくしま)から沖縄、および中国に分布する。サルスベリとの雑種はコサルスベリL. × amabilis Makinoで、花が淡紅色で庭木用に愛用される。ヤクシマサルスベリL. s. var. fauriei (Koehne) Hatus. ex Yahara(L. fauriei Koehne)は屋久島、種子島(たねがしま)、奄美(あまみ)大島に生える変種で、枝や花序には毛がない。

[小林純子 2020年8月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シマサルスベリ」の意味・わかりやすい解説

シマサルスベリ(島猿滑)
シマサルスベリ
Lagerstroemia subcostata

ミソハギ科の落葉高木。屋久島以南の南西諸島 (琉球列島) から台湾にかけての山地の林内に生える。高さ3~6mで,枝はよく分枝し淡褐色,若枝には4本のひれ状の稜がある。葉は短い柄があって対生し,長さ3~8cmの楕円形で先端がとがる。真夏に,枝先の円錐花序に多数の白花をつける。花はサルスベリ (猿滑)の花によく似るがやや小型である。

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