ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
シュッピルリウマシュ1世
シュッピルリウマシュいっせい
Shuppiluliumash I; Subbiluliuma I
[没]前1335頃
ヒッタイト新王国時代の王 (在位前 1375頃~35頃) 。ヒッタイト中興の祖。トドハリヤシュ3世の子。即位後まず内政に力を注ぎ,王家による中央集権を強化,首都ハットゥシャシュ (現トルコのボガズキョイ) を再建。現存する巨大な城壁も彼が築いたらしい。南西アナトリアのアルザワを制覇した以外は,もっぱら東方のミタンニ王国との戦いとシリアにおける覇権の確立に力を注いだ。2度目の攻撃でミタンニの首都ワシュカンニを攻略したが,これに乗じてアッシリアが独立したため,ミタンニに肩入れして緩衝国とするとともに,カルケミシュも征服。ヒッタイトの勢力は北シリア全域に確立され,彼の名声は国際的となった。エジプト王家の申し出により,エジプト王女との結婚で,息子はファラオ (王) の地位を約束されたが,エジプトに入る前に王女の政敵によって殺害され,みずからもエジプト人捕虜のもたらした疫病に倒れた。
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