日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュルロ」の意味・わかりやすい解説
シュルロ
しゅるろ
Evelyne Sullerot
(1924―2017)
フランスの社会学者、女性問題研究家。女性を対象として社会学的分析を行った彼女は、産児制限問題について関心を寄せ、1956年初の家族計画運動組織をベイユ・アレMarie-Andrée Weill-Hallé(1916―1994)と創設し、運動家として世に出た。1966年パリ大学で女性史の変遷の研究論文で学位を取得。1967年にはパリ大学ナンテール校(現、パリ第十大学)で初の女性学講座を開く。学界活動は『女性労働の歴史と社会学』(1968)によって確立し、その後ブリュッセル大学やパリ大学で女性社会学を講じた。ボーボアールにかわる女性運動家として、多くの雑誌等に寄稿するなどして活躍。1970年には『変革期の女性』を著し、注目された。ほかに『最善のもののため、そして最悪のものなしに』Pour le meilleur et sans le pire(1984)、『どのような父か、どのような息子か』Quels pères? Quels fils?(1992)などがある。
[鈴木幸寿]
『エヴリーヌ・シュルロ著、根本長兵衛訳『未来の女性――彼女は母性を放棄するか』(1966・朝日新聞社)』▽『水田珠枝訳『変革期の女性』(1972・平凡社)』▽『E・シュルロ、O・チボー編、西川祐子他訳『女性とは何か』上下(1983・人文書院)』