ジクロロジシアノ-p-ベンゾキノン(読み)ジクロロジシアノベンゾキノン

化学辞典 第2版 の解説

ジクロロジシアノ-p-ベンゾキノン
ジクロロジシアノベンゾキノン
dichlorodicyano-p-benzoquinone

C8Cl2N2O2(227.01).略号DDQ.クロラニルをシアン化カリと反応させて生じるヒドロキノン誘導体を硝酸酸化すると得られる.橙黄色の結晶.融点213.5~215 ℃.ベンゼンジオキサン酢酸に可溶,クロロホルム,ジクロロメタンに難溶.クロロホルムまたはクロロホルム-ベンゼン(4:1)から再結晶する.水溶液中で分解する.アセタール,ケタール,チオアセタールなどの脱保護剤,テトラリンからナフタレンへの変換やステロイド骨格に二重結合を導入する脱水素化剤,キノリン合成のための電子移動試剤として用いられる.反応後は有機溶媒に難溶のヒドロキノン誘導体が析出する.強いアクセプター性をもつ分子であるため,種々のドナー分子と電荷移動錯体を形成する.[CAS 84-58-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android