ジクロロメタン(読み)じくろろめたん(英語表記)dichloromethane

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジクロロメタン」の意味・わかりやすい解説

ジクロロメタン
じくろろめたん
dichloromethane

メタンの水素原子2個を塩素原子で置換した化合物。塩化メチレンともいう。エーテル臭のする無色液体。工業的には、塩素によりメタンを350~400℃で塩素化して得たクロロメタンジクロロメタンクロロホルム、四塩化炭素(テトラクロロメタン)の混合物を分別蒸留するか、メタノール塩化水素より得たクロロメタンを同様に塩素化して製造する。水にはわずかしか溶けないが、エタノール、エーテルには溶ける。塗料剥離(はくり)剤、金属脱脂剤などの洗浄剤、ウレタン発泡助剤、エアゾール噴射剤、冷媒などの反応溶媒として用いられる。不燃性で、市販品にはメタノールなどの安定剤が入っている。排水基準値は0.2mg/lと厳しく、取扱いに注意が必要である。

[谷利陸平]


ジクロロメタン(データノート)
じくろろめたんでーたのーと

ジクロロメタン
  CH2Cl2
 分子量 84.9
 融点  -96.8℃
 沸点  40.21℃
 比重  1.3266(測定温度20℃)
 屈折率 (n) 1.4246

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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