化学辞典 第2版 「ジホスホン酸」の解説
ジホスホン酸(塩)
ジホスホンサン
diphosphonic acid(diphosphonate)
H4P2O5(145.98).ピロ亜リン酸,二亜リン酸(塩)ともいわれたが,ホスホン酸の脱水縮合二量体H(O=)(HO-)P-O-P(-OH)(=O)Hに相当する.ホスホン酸に五塩化リンPCl5を反応させると得られる.白色の結晶.融点38 ℃.200 ℃ で分解する.水溶液は二塩基酸.水溶液中で加水分解し,とくにアルカリ性,酸性では分解は速くホスホン酸となる.アンモニア,アルカリ金属,アルカリ土類金属の塩が得られている.Na2P2H2O5は,ホスホン酸水素ナトリウムNaHPHO2・2.5H2Oの加熱脱水反応で得られる.水溶液は中性で,加水分解するとホスホン酸塩となる.なお,異性体のジホスフィン酸H(O=)(HO-)P-P(-OH)2(=O)は,遊離の酸として得られていないが,塩として得られる.P-P結合をもつため,加水分解の場合,酸性水溶液からはホスホン酸を生じるが,強アルカリ水溶液では水素を発生して,次リン酸となる.[CAS 36465-90-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報