日本大百科全書(ニッポニカ) 「セーナ朝」の意味・わかりやすい解説
セーナ朝
せーなちょう
Sena
12世紀のインド、ベンガルの王朝。11世紀末、パーラ朝滅亡期にブルドワン地区から興起し、3代、100年にわたってベンガルの大部分を領有し、ビハールにも進出して、東部インドの最強の王朝として栄えた。王たちはシバとビシュヌを信奉し、パーラ朝の仏教保護にかわって、ヒンドゥー教を鼓吹し、ベンガルの社会秩序を整えたといわれる。宮廷には詩人が集まり、サンスクリット文学が盛んであった。1199年、第3代ラクシュマナセーナはバクティヤールの率いるムスリム(イスラム教徒)の軍隊に敗れ、ベンガルは征服された。その子たちはベンガル南東部を根拠として抵抗を続けたが、やがて滅ぼされた。
[山崎利男]