日本大百科全書(ニッポニカ) 「スウェンソン」の意味・わかりやすい解説
スウェンソン
すうぇんそん
Jón Svensson
(1857―1944)
アイスランド生まれの童話作家。12歳で島を出てフランスの神学校に学び、以後人生の大半を神父や教師として外国で過ごす。50歳を過ぎてからノンニ少年(作者の幼時の呼び名)を主人公にした童話を書き出し、たちまち世界に知られた。1937年(昭和12)に来日、1年間滞在して諸方で講演などをしたが、その記録が『ノンニと日本』である。第二次世界大戦中オランダで爆撃を受けて負傷、まもなくドイツで没した。作品はほとんどすべて幼時にアイスランドで体験したことをそのまま書いたものというが、冒険と夢と清らかな心情に満ち、また語りに巧みで絶好の読み物をなしている。
[山室 静]
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