日本大百科全書(ニッポニカ) 「スコレル」の意味・わかりやすい解説
スコレル
すこれる
Jan van Scorel
(1495―1562)
ネーデルラントの画家。8月1日アルクマール近郊スコレルに生まれる。1519年ユトレヒトでマビュースに師事したのちニュルンベルク、ケルンテン、ベネチア、ローマに旅してデューラー、ラファエッロ、ミケランジェロの作品に学び、ジョルジョーネやパルマ・ベッキョの影響を受けた。初期の祭壇画(ケルンテンのオーバーフェルラハ教会)にはまだゴシック様式が濃厚であるが、のち光と空間の処理にルネサンス風の特色がみられる。『聖家族』など宗教画の大作のほか、ローマ法王ハドリアヌス6世の等身大の肖像にみるような、巧みに個性を表現した肖像画を描いた。50年には「ガンの祭壇画」の修復にあたった。62年12月5日ユトレヒトで没。
[野村太郎]
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